エレガント英語入門 文化 芸術

空腹の美学Ⅲ

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わたくしには、「夕食は、少々の食べ物を、静かな環境設定の下、ゆっくりと食べる」という生活習慣があります。

通常、わたくしは、週に4回程度の頻度で、夕食として、「豆腐一丁」のみを食べています。豆腐を載せる皿の色は「黒」。刻んだネギを豆腐に載せ、その上で生姜を擦り、少なめに醤油をかけます。

わたくしの住まいは、夜、かなり静かになります。「無音」の状態で部屋の電気を消し、蝋燭一本を面前として、30分ほどかけて豆腐を食べます。

この30分は、食事であって、実は、食事ではありません。言うなれば、「無音において、不必要なものを削ぎ落とし、ほんの一品だけの質素な食を味わい、『機微』(subtlety)の世界観・価値観に自分の身を置く」という時間です。

機微の価値観は、「一品」を『逸品』(rarity)にします。

機微の経験は、「自分の鈍感」を、ほんの少し、改善する道を与えてくれます。

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