通常レッスン当初、「今まで学んできた英語を一切忘れて、私の発音を真似して下さい」と、読みの復習に関して、生井先生よりご指導いただいた。ひたすら聴きこむうちに、先生の発する「音」から様々なことを感じ、また、疑問もわいてきた。それは、「この包まれるような心地よい音は、どうしたら発することができるのか」「思わず引き込まれるこの抑揚は、どうつくられているのか」など。その疑問を一つひとつ解消してくれたのが、先生のレッスンや公式サイト、レッスン日記だった。
「真似」には、「見せかけの真似」と「追求する真似」の二つがある。「見せかけの真似」は、必ずメッキがはがれる。その理由は、「真似」する対象を厳粛に受け止めていないからだ。
多くの画家達がそうしたように、自分が「これだ!」と思ったものを、全力で追求する「真似」は、その過程において、様々なことに気づく。そこから自分らしさが加わり、やがて独自ものをつくりあげることができるように感じる。
立ち居振る舞いにしても、はじめは見様見真似でやっているからぎこちない。けれども、心から習得したいと思えば、常に自身で考え、意識し続ける。そして、いつしか、自然な所作となる。特別な時だけ、急に美しく振る舞えるわけがない。
どんな小さなことでも、真摯にやり続けることが重要で、そこから、「感じて、考える」「考えて、感じる」を繰り返し、少しずつ成長していく、ということも、レッスンを通し、生井先生から学ばせていただいたことの一つだ。
☆☆☆
ボイスレコーダーを聴いていると、笑ったり、はにかんだりするだけでなく、悲しいわけでもないのに涙が出てくることがあります。先生から発せられる「音」には、メッセージがあり、また、魂にまでも響くのです。数々の芸術作品のように。