エレガント英語入門

ジュリア・ロバーツ、リチャード・ギアが演じるハリウッド映画『プリティー・ウーマン』から感じ取るエレガント英語

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1990年製作のハリウッド映画の代表作の一つ、リチャード・ギアとジュリア・ロバーツが演じる傑作『プリティー・ウーマン』は、「世界中に存在する、lady(淑女)になることに憧れを抱く女性たち」に夢を与える映画である。

『プリティー・ウーマン』の最終章のシーンで、ジュリア・ロバーツが演じる庶民の女の子、ヴィヴィアン・ウォードは、現代アメリカ経済社会に君臨する王子様、エドワード・ルイス(リチャード・ギア)に、"fairy tale"が欲しいと囁く。

fairy(形容詞)は「妖精の、優美な、架空の」という意味。tale(名詞)は「話、物語」。fairy taleで「おとぎ話」という意味を成す。

西洋文明社会では、伝統的に、gentlemanは、単に上辺だけ礼儀正しく振舞うだけでなく、「ladyに対して夢を与え、その夢を叶える器量を備えている」ということが”紳士の嗜み”として捉えられてきた。

例えば、結婚という行為が、実際は“非現実的”、且つ、“夢のまた夢”の関係である男女。しかし、その男女は、お互い、情熱的に愛し合っている。そこで、ある日、女性が男性に、"I’d like you to love me forever."(ずっと私のことを愛していて欲しいの)と哀しげに囁く。男性は、"What would you like me to do for us?"(一体君はどうして欲しいんだ!)と女性に尋ねると、女性は、目に涙を浮かべて、”I’d like a fairy tale.”(”fairy tale”が欲しい)と答える。

この会話のやり取りにおけるfairy taleは、「おとぎ話」というよりは、「あなたとずっと一緒にいたい!」という意味である。これはつまり、「私はあなたと結婚したいの」という“熱情ある願望”を示すセンチメンタルな女性ならではの言葉。

このことは、古典主義を批判し、近代擁護の立場を採ったフランスのシャルル・ペロー(Charles Perrault, 1628-1703)の童話、「シンデレラ」(Cinderella)のストーリーを連想することにより、これを「機知(wit)に富んだお洒落な表現の味わい」として理解することができる。わたくし生井利幸は、英語表現におけるエレガンスは、「機知が醸し出す“優美な余韻”(graceful reverberation)」によっても作り出されると解釈する。

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